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【8月4日 AFP】アルメニアとアゼルバイジャンの係争地、ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で新たな緊張が高まっている。3日にはアゼルバイジャン軍が同地域の複数の要衝を制圧。戦闘で双方の兵士3人が死亡した。

 アゼルバイジャン領内のナゴルノカラバフでは、アルメニア系住民がアルメニアへの編入を求めたことをきっかけに1990年代前半に紛争へと発展。さらに2020年にも両国の間で再び軍事衝突が発生。ロシアの仲介で停戦合意が結ばれ、アルメニアは占領地をアゼルバイジャンに引き渡した。一方、ロシアは約2000人の平和維持部隊を駐留させているが、緊張は依然くすぶっていた。

 アゼルバイジャン国防省は3日、ロシアの部隊が駐留しているラチン(Lachin)県にある自軍の拠点が、アルメニア系住民が樹立を宣言した「ナゴルノカラバフ共和国」の武装勢力の攻撃を受け、兵士1人が死亡したと発表。

 アゼルバイジャン軍はそれを受けて「報復」作戦を実施し、同地域の複数の高地を制圧したと明らかにした。

 これに対しナゴルノカラバフ側は、アゼルバイジャン側が停戦合意を破り、戦闘員2人を殺害、14人を負傷させたと主張。アルメニアは国際社会に対し、アゼルバイジャンの「侵略行為」をやめさせるよう訴えた。

 ロシアもアゼルバイジャン側が停戦合意に違反したと非難。欧州連合(EU)は、同地域における「戦闘の即時停止」を呼び掛けた。

 映像は係争地ナゴルノカラバフで、アゼルバイジャン側が「アルメニア系武装勢力」に対して実施した空爆。アゼルバイジャン国防省より3日提供。撮影日不明。(c)AFP/Emil Guliyev with Mariam Harutyunyan in Yerevan