【8月4日 People’s Daily】電子科技大学(UESTC)の夏川(Xia Chuan)チーム、中国科学院深セン先進技術研究院の于涛(Yu Tao)チーム、中国科学技術大学(USTC)の曾杰(Zeng Jie)チームによる最新の共同研究が、電極触媒と生合成の組み合わせによって二酸化炭素(CO2)を効率的に高濃度の酢酸に還元し、微生物を用いてブドウ糖や脂肪酸を合成できることを明らかにした。

 この成果は、4月28日に国際学術誌「Nature Catalysis」にカバー記事として掲載された。「本研究は、『食糧』の人工・半人工合成のための新技術に貢献するだろう」と、中国科学院院士、中国化学会触媒専門委員会の李燦(Li Can)主任は述べた。

 CO2の「変身」は、まず温和な条件で酢酸となることから始まる。これは、酢酸が食酢の主成分であるだけでなく、ブドウ糖など他の生体物質に転換できる優れた生合成炭素源であるためだ。研究者たちは、新型固体電解質反応器を用いてCO2から酢酸への転換効率を大幅に向上させ、純度97%の酢酸水溶液の140時間以上の連続生産に成功した。これがこの研究の最大の目玉だと、業界関係者は考えている。

 CO2の「変身」の第二段階は、微生物がブドウ糖を生産することだ。「醸造酵母は、主にチーズや饅頭、酒などの発酵に用いられるほか、微生物製造や細胞生物学の研究のモデル生物として用いられることも多い」。于涛氏によると、醸造酵母を使って酢酸からブドウ糖を合成する過程は、微生物が「酢を食べる」ようなものだという。醸造酵母は、「酢を食べ続ける」ことでブドウ糖を合成する。

「ただし、醸造酵母自体もブドウ糖の一部を代謝するため、収量はあまり高くはない」。于涛氏は、改造後の工程で酵母菌株のブドウ糖収量は2.2g/Lに達し、収量が30%増加したと述べた。

 中国科学院院士、上海交通大学(SJTU)微生物代謝国家重点実験室の鄧子新(Deng Zixin)主任によると、この研究成果は、電気化学と生細胞触媒を組み合わせたブドウ糖などの食糧調製の新戦略を切り開き、電気駆動ベースの新型農業とバイオ製造業のさらなる発展のための新たなパラダイムとなり、CO2の利用における重要な方向となるだろうという。

 近年、新エネルギー発電の急速な台頭に伴い、CO2電解還元技術は、化石エネルギーに依存する従来の化学工業プロセスに対抗できるポテンシャルを秘めている。そのため、CO2電気還元による高付加価値化学品や燃料の効率的な調製プロセスの研究は、ゼロエミッション実現の重要な研究の方向性の一つと考えられている。

 固体電解質反応器の開発により、CO2電解還元による液体生成物の分離の問題を効果的に解決し、微生物発酵のための液体電荷担体の連続的かつ安定的な供給が可能となった。微生物の利点は、生成物の多様性が高く、人工的に生産できない、あるいは生産効率の低い化合物を多く合成できることだ。曽傑氏は、「今後、電極触媒と生物発酵という2つのプラットフォームの均質性と互換性をさらに研究していく」と述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News