【8月3日 AFP】米国のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長(82)が2日夜、台湾に到着した。ペロシ氏は訪問理由について、米国の台湾に対する「揺るぎない関与」を示すためと説明。訪問に繰り返し反対していた中国は「的を絞った軍事行動」を開始すると宣言した。

 ペロシ氏は、過去25年間で台湾を訪問した米政府高官の中で最高位となる。テレビ中継の映像によると、台北松山空港(Taipei Songshan Airport)に着陸した米軍機から降り、台湾の呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相)に迎えられた。

 ペロシ氏は着陸直後に出した声明で、「われわれ議会代表団の台湾訪問は、台湾の活発な民主主義を支援するという、米国の揺るぎない関与を示すものだ」と説明。今回の訪問は、台湾を独立国家として公式に認めない「一つの中国」方針を取る米国の公式見解に「いかなる形でも」矛盾するものではないと主張した。

 一方、中国外務省は声明で、米国が「常に『一つの中国』の原則をゆがめ、不明瞭にし、空洞化させている」と非難。「こうした動きは、火遊びのように極めて危険だ。火遊びをする者は、火で破滅する」と警告した。

 中国国防省の呉謙(Wu Qian)報道官は声明で、「中国人民解放軍は厳戒態勢にあり、これに対抗するべく一連の的を絞った軍事行動を開始し、国家の主権と領土保全を断固として守り、外部からの干渉と『台湾独立』分離主義者の試みを断固として阻止する」と表明した。

 映像は台湾外務省が2日撮影・提供。(c)AFP