【8月2日 AFP】米ニューヨークの国連(UN)本部で1日、核拡散防止条約(NPT)の再検討会議が開幕した。冒頭に演説したアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、たった一つの誤解が「核による滅亡」をもたらすと警鐘を鳴らした。

 グテレス氏は、世界がこれほどまで大きな核の危険に直面したのは冷戦(Cold War)以来だとし、ロシアのウクライナ侵攻、朝鮮半島や中東での緊張を挙げ、「核を背景とした」危機の高まりに対する懸念を表明。

 さらに「人類は今、たった一つの誤解や誤算が核による滅亡につながる状況にある」と指摘。「核兵器の不使用を保証するには、廃絶するしかない」と訴え、広島の原爆の日である今月6日に同市を訪れる意向を表明した。

 米英仏の3か国は1日に出した共同声明で、「核戦争には勝ち目などなく、決して戦ってはならない」と明言。ロシア政府に対し、NPTに基づいた国際社会への誓約の尊重を促したほか、「ロシアのウクライナに対する一方的で違法な侵略戦争を受け、われわれはロシアに対し、核をめぐる無責任で危険な発言や行動をやめるよう要求する」とした。

 また、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は個別の声明で、ロシアと中国に対し、核軍備管理をめぐる協議への参加を要請。米国には、2026年に失効するロシアとの核軍縮条約「新START(New START)」に代わる条約を「迅速に交渉する」用意があると改めて表明した。(c)AFP/Amélie BOTTOLLIER-DEPOIS