【8月1日 AFP】サッカー女子欧州選手権(UEFA Women's Euro 2022)は31日、英ロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で決勝が行われ、開催国のイングランドが延長戦の末にドイツを2-1で下し、初優勝を飾った。

 欧州選手権の最多観客動員となる8万7192人の観客が押し寄せた試合は、クロエ・ケリー(Chloe Kelly)が至近距離からこぼれ球を押し込み、イングランドに男女を通じて56年ぶりの主要タイトルをもたらした。

 途中出場のエラ・トゥーン(Ella Toone)が相手GKの頭上を越す華麗なループシュートを決め、90分で勝利を収めるかに思われたイングランドだが、79分にリナ・マグール(Lina Magull)に同点弾を許した。

 しかし今回ばかりは、イングランドがメジャータイトルの獲得をはばまれることはなかった。

 前十字靱帯(じんたい)の断裂から復帰し、今大会に間に合ったケリーは1-1で迎えた110分に決勝点を挙げ、イングランドの英雄となった。

 イングランド女子スーパーリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)に所属するケリーは歓喜のあまりユニホームを脱ぎ捨てたが、それは1999年の女子サッカーW杯(FIFA Women's World Cup)米国大会で、元同国代表のブランディ・チャスティン(Brandi Chastain)氏が優勝を決定するPKを決めた後のセレブレーションをほうふつさせるものだった。

「これこそ、女子サッカーを見ていた一人の少女が見ていた夢」とコメントしたケリーは試合後のインタビューを抜け出し、観客やチームメートとの「スイート・キャロライン(Sweet Caroline)」の合唱の輪に加わった。

 英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は賛辞を送り、「今日、そして未来の少女と女性に刺激を与えた」と選手たちをたたえた。

 一方のドイツは、キャプテンで大会得点王のアレクサンドラ・ポップ(Alexandra Popp)がウオーミングアップ中の負傷で試合を欠場するなど運に見放された。(c)AFP/Kieran CANNING