【7月31日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は30日、ロシア軍との激戦が続く東部ドネツク(Donetsk)州の住民を対象に、強制避難させることを決定したと発表した。前日のウクライナ人捕虜収容施設への攻撃をめぐっては、ウクライナ当局は赤十字国際委員会(ICRC)と国連(UN)に調査を要請した。

 ゼレンスキー氏は毎日恒例の演説で、ドネツク州には子どもを含む多数が戦闘地域に残っていると指摘。ドネツク州知事によると、29日には同州で民間人6人が死亡、15人が負傷した。

 ゼレンスキー氏は「政府はドネツク州からの強制避難を決定した」と表明。当局はここ数週間、住民に退避を呼び掛けていたが、改めて警告した形だ。

 また、「現段階においてロシアの主要兵器はテロだ」として、米国をはじめとする国際社会に対し、ロシアを「テロ支援国家」として正式認定するよう重ねて訴えた。

 同州の親ロシア派支配地域のウクライナ人捕虜収容施設で爆発があり、数十人が死亡したことをめぐっては、ウクライナ、ロシアが共に非難し合っている。

 ウクライナ人権委員会のドミトロ・ルビネツ(Dmytro Lubinets)氏は30日、テレビ番組で、ICRCと国連人権監視団に調査を要請したと明らかにした。

 ルビネツ氏によると、ICRCは当局に対して調査を申請したが、ロシア側の許可を得られていない。(c)AFP