【7月31日 AFP】米ケンタッキー州当局は30日、大規模な水害でこれまでに25人の死亡が確認されたと発表した。犠牲者はさらに増える見込みだという。

 同州東部の13郡では週の半ばに降った豪雨により、大規模な洪水が発生。山岳部では多くの道路や橋が被害を受けた。携帯電話がつながらず、生存者の捜索は困難な状況となっている。

 アンディ・ビシア(Andy Beshear)州知事は同日朝、死者数が当初発表の16人から25人に増えたとツイッター(Twitter)に投稿。昼の記者会見では「今後数週の間にさらに遺体が見つかることになるのではないかと懸念している」と述べた。

 知事によると、27日夕の洪水の発生以来、ケンタッキー、テネシー、ウェストバージニア各州の州兵が計650人以上を空から救助した。州警察と当局も約750人を救助したという。

 米メディアは、ある一家が住んでいた移動式住宅が急流にのみ込まれ、木にしがみついていた4人の子どもが次々と流されていった事例を伝えている。

 ケンタッキー東部の一部地域では、24時間の降水量が200ミリ超を記録。ホワイツバーグ(Whitesburg)ではケンタッキー川北支流の水位が数時間で約6メートルまで上昇し、観測史上最高を更新した。

 ホワイツバーグの自宅で被災したクロエ・アダムスさん(17)はCNNの取材に、家の中に水が流れ込む音で目を覚ますと、「見渡す限り水浸し」で、パニックになったと話した。愛犬をプラスチック容器に入れ、水面から辛うじて出ていた近くの小屋の屋根まで泳ぎ、親戚がカヤックで助けに来るまでそこに5時間座っていたという。

 ジョー・バイデン( Joe Biden)大統領は被災地域一帯に災害宣言を発令し、州や自治体当局の復興事業を連邦政府が支援する態勢を整えた。(c)AFP/Brian KNOWLTON