【7月30日 AFP】イランで27日、窃盗犯が右手の指4本を切断される刑に処された。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が29日、明らかにし、「言語に絶するほど残酷な刑罰だ」と非難した。

 アムネスティによると、切断刑に処されたのは30代後半のポーヤ・トラビ受刑者。テヘランのエビン刑務所(Evin Prison)で当局者数人と医師の立ち会いの下でギロチン式の装置で指を切断された後、病院に救急搬送された。

 アムネスティのダイアナ・エルタハウィ(Diana Eltahawy)中東・北アフリカ副部長は「切断刑は司法上、拷問とされており、国際法の下では犯罪だ。このような刑の命令と執行に関与した者は全員、公正な裁判で責任を問うべきだ」と述べた。

 イラン当局は5月31日にも麻酔なしで別の受刑者に切断刑を執行したばかりとされる。この受刑者はエビン刑務所の独房に収容され、感染症や心的外傷に対する適切な治療を受けられずにいる。

 アムネスティによると、この受刑者は金を払えば指を「冷凍保存」し、手術で再接着することもできると説明されたが、必要な額を支払えなかった。

 イランでは現在、他に少なくとも8人が切断刑に処される恐れがある。

 アブドルラフマン・ボロマンド人権センター(Abdorrahman Boroumand Centre)によると、イランでは2000年1月以降、少なくとも131人の切断刑が執行されている。(c)AFP