【7月30日 AFP】イングランドのラグビーユニオン(15人制)とラグビーリーグ(13人制)は29日、トランスジェンダーの選手が女子の試合に出場することを禁止すると発表した。

 両競技の統括団体は、それぞれの規則を改定し、女子の試合に出場できるのは女性に生まれた選手のみと定めた。また、安全性を考慮したとする今回の措置は、科学的根拠に基づくものだとしている。

 15人制を統括するイングランドラグビー協会(RFU)は、男性生まれと女性生まれの選手には身体的な差があり、テストステロンと男性の思春期によってもたらされる体力、スタミナ、体格の優位性は「著しい」もので、テストステロン値を抑制してもそれらのアドバンテージは保たれることが研究結果で示されたと説明。

 さらに、これを根拠とした新しい参加規定では、「出生時に男性と記録されていたトランスジェンダー選手を女子のコンタクトラグビーに受け入れることは、安全性と公平性の考えとはバランスが取れない」と結論づけられると補足した。

 この規定はRFU評議会による投票で賛成33票、反対26票、棄権2の僅差で承認され、来季開幕からの適用が決定された。

 また、13人制を統括するラグビーフットボールリーグ(RFL)も、新しいジェンダーの参加規定を承認し、8月から適用したのち、来年11月に再検討することになった。

 男性から女性に変わったトランスジェンダー選手がエリートレベルの女子の国際大会に出場することは、世界のラグビーユニオンを統括するワールドラグビー(World Rugby)から禁止されているものの、各国ユニオンは国内レベルの試合に関して独自路線を進むことが認められている。

 一方、世界の13人制ラグビーを統括する国際ラグビーリーグ連盟(IRL)は6月、トランスジェンダー選手の女子の国際試合に出場について、当面の間禁止すると発表している。(c)AFP