【7月29日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)の介休市博物館にある瑠璃(るり)うわぐすりの神獣がこのところ、ネットで人気を集めている。しゃがんだ姿勢で眉間に皺(しわ)を寄せ、両目を大きく見開いているだけだが、何かを訴えかけるようなうるうるとしたまなざしと、ゆるキャラのような表情が多くのネットユーザーから愛され、支持されている。

 神獣の名は「獬豸(かいち)」という。黄釉瑠璃で焼成されており、高さは31・7センチ。1984年9月に地元の文化館から同博物館に移管された。

 中国ではかつて、格式の高い建築の屋根に瑠璃神獣を設置する習慣があった。これらの小獣にはそれぞれ意味があり、水害や火災を避けるもの、邪気を払い障害を除くもの、幸福や幸運をもたらすものなど、不思議な力を持つとされていた。

 獬豸もそのうちの一つで、中国の神話上の神獣とされる。大きさは大きくてウシ、小さくてヒツジほどで、麒麟(きりん)に似ている。全身は真っ黒な毛に覆われ、両目は明るく生気を放ち、額に角が1本生えていることが多い。豊かな知恵を持ち、理非曲直を見分け、善悪忠奸を見抜くことから、勇猛と公正の象徴とされている。(c)Xinhua News/AFPBB News