【8月3日 People’s Daily】「抖音(Douyin)」「快手(Kuaishou)」などのショート動画プラットフォームを開き、求職関係のユニットをクリックすると、ライブストリーミングで商品名ではなく、仕事の役職名が叫ばれている。中国では、ますます多くの人が求職の際に、ショート動画を利用している。発信側にとっても動画で会社の環境を見せたり、オンラインで説明会をしたりと、主流の手法になりつつある。

 近年最も勢いのあるオンライン採用モデルのひとつが、ショート動画プラットフォームでのライブストリーミングである。

 今年48歳になる牛艶斌(Niu Yanbin)さんは、ライブストリーミングを見ているときに偶然、ライバーが求人情報を紹介しているのを目にした。「紹介される仕事のなかに、私のような45歳過ぎの年齢を募集しているものも結構あることに気づきました。それで心を動かされて、友達と一緒に履歴書を送ってみたのです」。このようにして、牛艶斌さんはある工場のスマート製品生産ラインで働くことになった。収入は大幅に増えたという。

 ショート動画プラットフォーム「快手」で人材ライバーとして活動する劉超(Liu Chao)さんは、早くからこの分野に足を踏み入れた人の一人だ。「ライブコマース配信では「モノ」を発信しますが、私たちが発信するのは職業や役職です。目的は求職中の人々に便利な就職プラットフォームを提供することです」と、劉超さんは語る。2000年4月に活動を始めたが、今では専門のサービス会社を立ち上げ、快手でのフォロワーは70万人を超え、毎月約300人の就職を手助けするという。

 常州(Changzhou)のある精密機器メーカーでは、今年3月から劉超さんと契約し、今やライブストリーミングは工場作業員の採用に欠かせなくなったという。オフラインの説明会や広告の張り出しなど従来型の採用を行うより、ずっと効率的に人を集めることができるようになった。応募側にとっても工場内の写真や動画などを見ることができて分かりやすい。また、コロナの影響で遠方からの採用が難しくなっていたが、ライブストリーミングで感染対策関係の情報を詳細に説明できるため、安心して採用ができるようになったという。

 また、卒業シーズンを控え、少なからぬ高等教育機関や政府機関が卒業生向けにオンライン求職のサポートをしている。

 武漢理工大学(Wuhan University of Technology)では、4月中旬に学校の中に動画会議室を設け、学生が無料で使えるようにした。会議室の中にはパソコンやカメラ、撮影ライト、三脚、マイクなどが設置されている。同学の職員によれば、この会議室は毎日の予約率が90%を超え、のべ200人が利用したという。また、人力資源・社会保障部も高等教育機関の卒業生向けに大都市・中都市合同のオンライン就職支援イベントを開いた。

 オンライン採用はさまざまな人の需要を満たしており、応募側・採用側のいずれにとっても機会が拡大していると言えよう。(c)People’s Daily/AFPBB News