【7月28日 AFP】米下院の監視・改正委員会は27日、銃乱射事件が相次いだことを受けて米銃器大手の幹部らを呼んで公聴会を開き、大手5社がこの10年間に売り上げたAR15型半自動小銃の総額は10億ドル(約1360億円)を超えると報告した。

 キャロリン・マロニー(Carolyn Maloney)委員長(民主党)は、銃器業界が米社会に殺傷能力の高い武器を氾濫させることで金をもうけ、多くの死者が出ているのに「自社製品による死傷者数を監視する基本的な手順さえ踏んでいない」のは「無責任極まりない」と非難した。

 報告によると、テキサス州ユバルディ(Uvalde)の小学校で児童19人と教師2人が死亡した乱射事件で使われたAR15型ライフルの製造元ダニエルディフェンス(Daniel Defense)では、2019年に4000万ドル(約54億円)だった同銃の売上高が、2021年には3倍の1億2000万ドル(約162億円)以上に増えた。

 同期間に、スターム・ルガー(Sturm, Ruger & Co.)はAR15型の売上高を3900万ドル(約53億円)から1億300万ドル(約140億円)に伸ばした。

 スミス・アンド・ウェッソン(Smith & Wesson)は、AR15型を含む銃身の長い銃の売上高が2倍以上増加し、1億800万ドル(約146億円)から2億5300万ドル(約343億円)になった。

 民主党が多数派の下院では、特定の半自動小銃の販売、輸入、製造、譲渡を禁じる法案を推進しているが、上院で否決される見通しだ。上院(定数100)は民主・共和両党で50議席ずつ分け合っており、法案可決には共和党議員10人の賛成が必要となる。(c)AFP