【7月31日 People’s Daily】近年、中国の風力発電産業は急速に発展している。10年以上にわたる大規模な開発を経て、中国の風力発電は設備規模が世界第1位となり、品質面でも著しい向上を遂げた。

 2021年、中国は4757万キロワット風力発電の併合設備を新たに設置し、その容量は累積で3億2800万キロワットに達し、いずれも世界トップとなった。中国国家エネルギー局のデータによると、2021年の中国の風力発電量は6526億キロワット時(kWh)に達し、前年同期比で40.5%増、社会全体の消費電力量の7.9%を占めた。風力発電は中国第3の電力の供給源となっている。

 同時に、中国の風力発電の単位あたりのコストも大きく低下している。これは、建設コストの低減だけでなく、発電能力の向上や効率の改善によるものだ。大規模開発と技術進歩により、中国の陸上風力発電の単位あたりのコストは、2010年比で40%低下し、洋上風力発電の単位あたりのコストは、同期間で53%低下した。長年の努力の結果、風力発電の放棄現象は徐々に緩和され、風力発電の平均利用率は96.9%に達している。

 また、中国の風力発電産業は、技術面で世界をリードしている。現在、中国はハイメガワット級の風力発電完成機の自主開発能力を有するのみならず、完全な風力発電設備製造産業チェーンを形成し、製造企業の総合力と競争力は大幅に向上している。大容量のユニットの新製品が次々と出され、長いブレードと高い送電塔の応用などの分野を国際的にリードしている。そのほか、新技術の応用も次々と現れている。デジタル技術の広範な応用により、風力発電製品の設計や風力発電所の運営・管理のさらなるインテリジェント化・効率化が可能となっている。

 現在、中国の風力発電産業は、技術の研究開発、開発・建設、設備の供給、検査・認証、付帯サービスなどの面をカバーし、国際的な事業チェーンは基本的に形になっており、中国の風力発電企業の総合力と国際市場の競争力は向上し続けている。多くの中国企業が国際市場の開拓を加速させ、風力発電は国際競争に参加する戦略的なハイエンド・グリーン装備製造業の一つとなっている。現在、世界の風力発電ユニットの部品の半数が、中国で生産され、上位10社のうち6社が中国メーカーだ。世界最大の風力発電装置製造拠点として、中国の発電機、ハブ、フレーム、ブレード、ギアボックス、ベアリングなどの部品生産量は、世界の60〜70%を占めている。

 中国の風力発電産業の急速な発展の主な原動力は、安定した政策システムと産業チェーン全体にわたる企業のイノベーションだ。一方、安定した政策システムは、明確な市場の期待と重要な支援措置を提供することにより、市場投資と技術進歩を促進し、中国の風力発電産業の安定的かつ秩序ある発展を可能にする。そのほか、産業チェーン全体をカバーする企業のイノベーションは、産業発展の核心的推進力となっており、中国の風力発電企業は急速に「導入ー消化ー吸収ー再創造」といった技術的な飛躍を遂げ、国際競争力のある完備された産業システムを構築してきた。

 今年2月、中国国家発展改革委員会、国家エネルギー管理局は「エネルギーのグリーン・低炭素モデル転換体制メカニズムおよび政策措置の改善に関する意見」を発表し、新エネルギー電力の建設、併合、輸送を可能な限り支援することを提案した。ダブルカーボン目標を達成するための主力として、中国の風力発電産業は、今後も大きな可能性を秘めている。(c)People’s Daily/AFPBB News