【7月28日 AFP】英与党・保守党の党首選で決選投票に残ったリズ・トラス(Liz Truss)外相は27日、「自由を愛する」英連邦が団結することで中国に対抗する考えを示した。対立候補のリシ・スナク(Rishi Sunak)前財務相が厳しい対中姿勢を打ち出したことを受けたもので、強硬姿勢を競い合っている形だ。

 トラス氏の発言は、28日に英中部バーミンガム(Birmingham)でコモンウェルスゲームズ(Commonwealth Games、英連邦競技大会)が開幕するのに合わせたもの。トラス氏は、英国の旧植民地国などで構成される英連邦について、台頭する中国に対して「極めて重要な防波堤」としての役割を果たすと述べた。

 トラス氏は「自由を愛する民主主義国の最も大きな国家グループの一つとして、英連邦の一員であり続けることに明確な利益があることを保証し、中国がもたらす悪意ある影響に取って代わるものを各国に提供する必要がある」と語った。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相の後任を選ぶ保守党党首選では、国内経済問題だけでなく、外交も争点となっている。スナク氏は24日、中国は英国と世界にとって「最大の脅威」だと発言。次期首相に選ばれれば、英国内に30か所ある、中国の言語・文化の教育機関である孔子学院(Confucius Institute)をすべて閉鎖し、中国のソフトパワー拡大を阻止する方針を表明した。

 これに対し中国外務省は、英政治家は「自国の問題解決につながらない『中国脅威論』のような無責任発言をすべきではない」と反発している。(c)AFP