【7月28日 AFP】地球をひとつの生命体と考える「ガイア理論」や、気候変動に関する先駆的な研究で知られる英国の著名科学者ジェームズ・ラブロック(James Lovelock)氏が、転倒による合併症のため、103歳の誕生日である26日に死去した。遺族が27日、明らかにした。

 ラブロック氏は1970年代、地球はすべての生物で構成された自己調整機能を持つひとつの生命体だとする「ガイア理論」を考案。この理論は、地球とそこに住む生命の関係に対する科学的視点の見直しに貢献した。

 温暖化による地球破滅の恐れを訴えたことでも知られ、2006年に出版した「ガイアの復讐(The Revenge of Gaia)」では、人類が温室効果ガスの排出を大幅に削減しなければ深刻な結果になると警鐘を鳴らした。

 20年のAFP通信のインタビューでは、新型コロナウイルスの大流行への対応を迫られる中で世界は広い視野を失ったと警告。より大きな問題である地球温暖化への対策に注力するべきだと述べていた。(c)AFP/Anna MALPAS