【7月28日 Xinhua News】中国寧夏回族自治区と日本の島根県が友好協定を結んでから30年近くになる。その間、同世代の2人の女性、劉昕妍(りゅう・きんけん)さんと田中奈緒美さんはそれぞれ日本人、中国人と国際結婚し、双方の交流史にロマンチックな愛の物語を刻んだ。

 島根県出身の田中さんは双方が友好提携を交わした1993年当時、中学生だった。県内で開かれた展覧会で、中国西部にある寧夏回族自治区の存在を初めて知った。

 2004年の大学卒業後、しまね国際センターで日本語を教えるようになり、寧夏から来日したばかりの研修生、牛犇(ぎゅう・ほん)さんと出会った。田中さんは「私たちのクラスは、先生と生徒の年齢が近く、週末に一緒に食事をしたり遊びに出掛けたりするうちに、牛さんと意気投合し、だんだんと距離が近づいた」と振り返った。

 留学を終えた牛さんが帰国すると、田中さんも日本人ボランティアとして湖南省長沙市に渡った。2年後、牛さんの住む寧夏に移り住み、寧夏大学外国語学院で日本語教師を務める傍ら、島根大学の研究員として、両大学が共同で設置した国際共同研究所関連の仕事も担った。

 島根大学は04年以降、専門家を派遣して寧夏大学の専門家と中国西部の農業経済と生態保護、寧夏南部の山間地帯と日本の中山間地域の経済・社会の持続可能な発展に関する比較研究、中国の環境保護の方法と経験の比較研究など複数のプロジェクトを共同で実施し、素晴らしい成果を収めてきた。

 寧夏出身の劉さんも田中さん同様、双方の友好交流活動を通じて夫の岩本孝昭さんと知り合った。

 岩本さんは95年、島根県の高校生代表として寧夏を訪問。その際、岩本さんたちに現地の学校紹介をした生徒代表の1人が劉さんだった。2人は交際を実らせ、大学卒業後の00年に結婚。同年に劉さんが来日し、島根での生活をスタートさせた。

 劉さんはこれまで何度も、島根県民交流団に同行して寧夏を訪問したり、島根を訪れた寧夏の代表団や研修生らの案内係を務めたりしてきた。

 田中さんも劉さんも、双方の人々は30年近くにわたる交流と往来を通じて友情を深めてきたと強く実感している。

 田中さんは寧夏と島根の今後について「若者同士の交流と往来をより活発にすることで、緊密な友好関係を維持し、より強固にしていければ」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News