【7月28日 CNS】中国の首都・北京市は、膨張する都市機能の「ダイエット」に成功した中国初のメガシティーとなった。

 東京、ニューヨーク、ロンドンなどの国際都市は「大都市病」の問題に直面している。人口2000万人を超える北京市も交通渋滞や大気汚染、資源不足など多くの「病状」に直面している。

 北京市は2014年、「大都市病」解消を目的とした中国初の産業別の禁止・制限リストを発表。2017年には北京都市総合計画(2016〜2035)を制定し、都市機能や産業構造のスリム化、分散化、縮小化を推進した。

 最近の10年間で3000か所近い製造業と環境汚染企業を移転・撤退させ、各地の専門市場や物流拠点を1000か所近く整理し、7000か所以上の便利な商業店舗を構築した。北京市内の6地区の居住人口は2014年と比べて15%減少し、都市部と農村部の建設用地は110平方キロ減少した。

 北京市中心部の北二環路近くにある「北京動物園卸売市場」は、かつて中国北部最大の衣料品卸売流通センターだった。混雑を極めた市場は既に閉鎖され、30万平方メートルに及ぶ敷地に科学技術や金融、サービス産業を担う152の企業・機関が集積している。

 北京市東部郊外の通州区(Tongzhou)は、非首都機能が移転する主要エリアとなっている。市の行政機関や病院、学校、企業が集まり、世界最大のユニバーサル・スタジオ・北京(Universal Studios BeijingUSB)も誕生した。この取り組みは北京主中心部の環境を改善しただけでなく、通州区を北京の副都心として発展させ、地元の人々に恩恵を与えている。

 また、北京市-天津市(Tianjin)-河北省(Hebei)地域の連携も進めている。2013~2021年の北京市から天津市への投資は1兆1353億5900万元(約22兆9693億円)に及び、天津市の国内資本の38.3%を占めている。

 北京の非首都機能を移転する重要拠点として河北省の雄安新区も大きな進歩を遂げている。雄安新区では236件の主要プロジェクトが立ち上げられ、総投資額は4300億元(約8兆6993億円)を超える。このうち今年は59件の新規プロジェクトが始まり、投資額は600億元(約1兆2139億円)近くに上る。多数のハイテク企業が定着しており、北京市から投資された企業が全体の80%を占めている。

 中国国家発展改革委員会は「北京市の計画と実践は大都市問題の解消モデルとなっている」とたたえている。(c)CNS/JCM/AFPBB News