【7月27日 CNS】中国でこの夏、スタンドアップパドルボードがブームとなっている。気温が上がるにつれ、都市の大型公園の湖や川では愛好家のグループが姿を現すようになった。長さ約3メートルのカラフルなボードの上に立ち、1本のパドルを使って涼しげに水面をこいでいる。

 パドルボードは大きな波を待つサーフィンとは異なり、ボードの上に立ったり座ったり動きをコントロールでき、ボード上でヨガや釣りをする人もいる。若い女性を中心に人気のSNS「小紅書(Red)」には3万件以上の関連の投稿がある。

 2009年に中国に導入されたパドルボードが今年に入り人気が爆発したことは、コロナ禍の影響もある。行動を制限されることにうんざりした人びとが、都会にいながら人との接触を気にせず、「水で遊ぶ自由」を手に入れている。

 パドルボードは初心者でも独学で基本的なスキルを習得しやすい。キャンプやスキーなどに比べて値段も手頃で、最低1000元(約2万円)から始められ、車のトランクに簡単に収納できるボードもある。

 パドルボードの人気は都市部の環境改善とも密接に関連している。悪臭のあった川の水質がどんどん良くなり、川沿いの景観や植生も整備されたことで、都会の人々が野外でリラックスしながら運動するのに最適な場所になった。

 夏休みが始まる前、北京市の順義オリンピック公園(Shunyi Olympic Rowing-Canoeing Park)ではパドルボードの利用者が前年の2倍以上に増えた。パドルボードの売れ行きも4月と5月の2か月間だけで昨年1年間と同等に達しているという。

 データコンサルタントのテクナビオ(Technavio)によると、世界のスタンドアップパドルボード市場は2021年から2025年までに年間平均6%近く成長し、1億800万ドル(約147億8736万円)に達すると予想される。パドルボードが五輪種目に採用される可能性もあり、さらに人気が広がりそうだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News