【7月27日 Xinhua News】中国の運搬ロケット「長征5号B遥3」は24日、宇宙ステーションを構成する実験モジュール「問天(Wentian)」を宇宙空間に送り込むことに成功した。問天は軌道に乗った後、順調に状態設定を終え、25日午前3時13分(日本時間同4時13分)、宇宙ステーションのコアモジュール「天和(Tianhe)」へのドッキングに成功した。

 今回の成功は「火工品」と呼ばれる導爆装置の功績が大きい。火工品は、機械部品の筐体(きょうたい)内部に火薬を装填し電流で起爆させることで作動する。ブースターを例に挙げると、分離ボルトがブースターとロケットをつないでおり、ブースターをロケットから分離する際には、ボルトに内蔵された火薬を電流で爆破し切り離す。

 ミッションに必要な火工品の97%以上を宇宙用火工品の開発・製造などを手掛ける四川省(Sichuan)瀘州市(Luzhou)の四川航天川南火工技術が開発。同社製の火工品18種類、670発余りが使われた。同社高級エンジニアの楊尹渝(Yang Yinyu)氏は41年の職務経験の中で有人宇宙飛行、月探査、火星探査などの重大宇宙プロジェクトで使われた火工品数十万発の製造に携わってきた。

 2015年、楊氏の名を冠した作業所「楊尹渝技能大師工作室」は国家級の認定を受けた。チームを率いて火工品60件余りの製造上の空白を埋めた楊氏は「打ち上げの成功をテレビで見るたび、嬉しさと誇らしさで胸がいっぱいになる」と話した。(c)Xinhua News/AFPBB News