【7月26日 People’s Daily】最近、中国各地の港は漁業生産の最盛期を迎えている。

 海洋は生命を育み、資源を育むという重要な役割を担っている。中国は海洋大国であり、長い海岸線、広大な管轄海域、豊富な海洋資源を有している。海に向かって生き、海により興る。古来、海辺に生まれ育った人々は、「漁塩の利を興し、舟楫(しゅうしゅう)の便を借りる」生活をしてきた。しかし、海から求めること一点張りの開発手法は、乱獲や海洋汚染などの問題を引き起こしやすい。

 近年、中国は伝統的な漁業の構造転換・高度化を絶えず推進している。海に対する理解が深まるにつれ、海洋資源の合理的な開発・利用が徐々にコンセンサスとなり、「資源回復+エコ養殖+高品質・高効率」の海洋エコ牧場の複合体が数多く誕生している。海洋牧場の建設は「人と海洋の調和」のコンセプトを貫き、典型的な海洋生態系を保護・回復するだけでなく、「規模・数量型」から「品質・効率型」への漁業の転換を促進し、漁業・水産、レジャー・娯楽、観光、文化伝承などの発展をけん引し、海洋経済の新たな成長ポイントを形成している。

 海洋牧場の開発は、漁業の構造転換・高度化のための重要な措置だ。科学技術の発展に伴い、漁業者は深海網いけすや養殖プラットフォームなどの手段を通じ、海洋牧場の持続的な開発を推進している。江蘇省(Jiangsu)連雲港市(Lianyungang)黄窩村は、かつて漁業資源の減少により貧困村となっていた。養殖専門合作社(協同組合)を結成し、海苔加工工場を新設し、漁業者は「漁獲から養殖へ」、富への道を歩み始めた。魚、エビ、貝、カニなどを海で計画的に放し飼いにする傍ら、深海や遠洋への操業水域拡大の推進、レジャーフィッシングや観光の実施など、現代漁業における海洋資源の科学的利用を進め、高まる消費者の需要に応え、より多くの水産物を食卓に届けるとともに、さらなる経済成長ポイントを開拓し、ブルー経済発展の新たな原動力を強めている。

 日増しに高度化する「耕海牧漁」の生産方式は、漁業生産の場を広げるだけでなく、知らず知らずのうちに海域の生態系を改善している。沖合漁業への負荷の減少により、漁業資源が養われた。海水養殖の密度の低下により、水系環境が修復された。水生生物の繁殖・生息・成長に適した漁場環境をつくることは、水生生物資源の自然繁殖・増加を促し、海洋生態系の改善・復元につながることが実践で証明されており、それは海洋の「エコバンク」形成に相当するものだ。漁業の包括的な開発では、生態環境の保全を両立させてこそ、海洋牧場は、経済効果と生態効果の二重の豊作の実現のための漁業の開発を促すことができるのだ。

 中国は世界で唯一、養殖生産量が漁獲量を上回っている主要漁業国であり、養殖可能な海域は120万平方キロメートルをはるかに超え、巨大な発展の可能性を秘めている。「第14次五か年計画(2021〜2025年)」と「2035年までの長期目標綱要」では、海洋牧場は「現代海洋産業システムの構築」の重要な一翼を担っており、今後、海洋経済は重要な発展期を迎えることになる。(c)People’s Daily/AFPBB News