【7月25日 AFP】台湾は25日、年間最大規模の軍事演習を開始した。中国の攻撃を想定し、ロシア軍によるウクライナ侵攻を踏まえた訓練となった。

 5日間にわたって毎年実施される今年の「漢光(Han Kuang)」軍事演習では、ウクライナで現在繰り広げられている戦闘の教訓が取り入れられた。

 機関銃で武装した予備役が橋の下に掘られた土のうの塹壕(ざんごう)に逃げ込んでから射撃位置につき、首都台北への敵軍の侵入を阻止する訓練を行った。

 ヘリコプターや低空飛行の飛行機に有効な携帯型ミサイル「スティンガー(Stinger)」も複数の高層ビルに配備された。同ミサイルは、ウクライナ軍がロシア空軍を撃退する上で役立っている。

 また、北部の複数の都市で、市民を対象に防空訓練が行われ、模擬ミサイル攻撃を知らせるサイレンとテキストメッセージによる警告が出されてから30分間、街路で歩行者と車の通行が禁止された。

 台湾国防部(国防省)によると、訓練では中国が台湾を侵攻するために取り得るすべての行動を想定しているという。(c)AFP