【7月25日 AFP】ラグビーイングランド代表やウェールズ代表でプレーし、若年性認知症や不可逆性の神経障害と診断された元選手らのグループが、統括団体を相手に訴訟を起こし、この件を法廷に持ち込むことが24日、明らかになった。

 W杯(Rugby World Cup)を制した元イングランド代表のスティーブ・トンプソン(Steve Thompson)氏や、ラグビー元ウェールズ代表主将のライアン・ジョーンズ(Ryan Jones)氏といった元選手らの代理人を務めるライランズ・ロー(Rylands Law)氏が、ワールドラグビー(World Rugby)やイングランドラグビー協会(RFU)、ウェールズラグビー協会(WRU)に対して訴訟を起こすという。

 英PA通信(Press Association)によれば、2020年12月に選手9人を代表して訴訟前通知が統括団体側に出されていたが、和解に至ることはできず、選手を脳振とうのリスクから守らなかった責任を問う形で、25日に訴訟手続きを行う。

 ウェールズ代表として75キャップを刻み、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)にも選出されているジョーンズ氏は前週、若年性認知症と診断されたことを英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)で明かした。41歳のジョーンズ氏は「世界がばらばらになったような感じがする」と話すと、「とても怖い」と認め、「将来がどうなるか分からない」と不安を口にしていた。(c)AFP