【7月23日 AFP】南アフリカのシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は22日、アフリカ諸国はロシアのウクライナ侵攻で生じた世界的な食料危機を「警鐘」と受け止め、穀物と肥料の自給自足を目指すべきだと訴えた。

 ロシアとウクライナは同日、黒海(Black Sea)の封鎖により滞っている穀物輸出を再開し、世界的な食料危機の緩和を目指す合意文書に署名した。

 ラマポーザ氏は首都プレトリアで、同国を訪問したコートジボワールのアラサン・ワタラ(Alassane Ouattara)大統領と会見。アフリカ諸国はウクライナ侵攻による穀物の供給不足をきっかけに、食料を増産して輸入を減らすべきだと主張した。

 ラマポーザ氏は「これから何年間も穀物や肥料を世界の一部地域に依存し続けるつもりか」「それとも、ウクライナ侵攻を警鐘と受け止めるべきだろうか。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が警鐘となってアフリカの多くの国がワクチンを自国生産し始めたように」と呼び掛けた。

 ウクライナは世界有数の穀物輸出国で、食料の供給不足が深刻化している中東やアフリカの主要供給源となってきた。

 貧しいアフリカ大陸では、供給量の減少により穀物価格が急騰。紛争や気候変動の影響が深刻化し、社会不安への懸念が強まっている。

 ワタラ氏は会見で、今週ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と電話で会談し、穀物輸出が再開したら、アフリカへの輸出を優先してほしいと伝えたと明らかにした。(c)AFP