【7月22日 AFP】(更新)ウクライナとロシアは22日、穀物輸出の再開をめぐる国連(UN)とトルコとの合意文書に署名した。世界的な食料危機の緩和が期待される。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相とウクライナのオレクサンドル・クブラコフ(Oleksandr Kubrakov)インフラ相は署名式で、黒海(Black Sea)の封鎖により滞っている穀物輸出の再開に向けた同一内容の個別文書にそれぞれ署名。ウクライナ側は、ロシアの侵攻を理由に、同国と同じ文書への署名には応じない意向を示していた。

 国連は、ウクライナ侵攻の直接的影響で、新たに4700万人が「急性飢餓」に陥る恐れがあると推定している。国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は「破産寸前の発展途上国や、飢饉(ききん)にひんしている最弱者に救済をもたらすだろう」と言明。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、合意が「平和への道を復活させる」ことを期待するとした。

 国連とトルコが仲介した今回の合意では、ウクライナ南部オデーサ(Odessa)周辺の黒海沿岸3港からウクライナの船が出入りできる回廊を設置し、同国とロシアは出入りする船舶を攻撃しないことが定められた。関係者によると、穀物輸出は8月中旬までに完全に再開する見通し。(c)AFP