【7月23日 CNS】中国ではインターネットで商品を購入し、自宅へ配達してもらう生活スタイルが急速に浸透した。2021年末段階で1日平均宅配事業量は3億件を超えた。10年前はわずか1000万件だった。それと同時に包装箱が大量に捨てられる問題も起きており、企業はリサイクル可能な品物に切り替えを進めている。

 北京市豊台区(Fengtai)の江楓(Jiang Feng)さんは日ごろからオンラインショップで生鮮食品や冷凍食品を購入している。以前は使い捨てのポリスチレンボックスに梱包されて配達されていたが、最近は小さな保冷剤を入れたパッケージで配達されるようになったという。「宅配業者は保温箱から商品を取り出して私に手渡すと、その箱を持ち帰るようになりました」

 多くの電子商取引(EC)プラットフォームや物流業界は最近、商品を循環断熱ボックスに入れるようになった。耐用年数は1年以上で何百回も利用できる。プラスチック汚染の原因となる使い捨てポリスチレンボックスと異なり、軽量で耐久性のある発泡ポリプロピレン(EPP)素材を使用し、自然環境でも生分解しやすい。

 京東物流(JD Logistics)は2017年12月、50回以上の利用が可能な宅配ボックス「青流箱」の使用を開始。昨年7月には順豊速運(SFエクスプレス、SF Express)がリサイクル可能な包装箱「豊多宝(π-box)」の運用を始め、昨年12月末時点で72万個が280万回利用された。蘇寧易購(Suning)物流や中国郵政速達物流もリサイクル可能な「ドリフトボックス」や「グリーンリサイクル配達ボックス」などを導入している。

 リサイクル宅配ボックス主要メーカーの1つである小象回家(Xiaoxiang Huijia)によると、ボックスは3年間使用が可能で、その後はポリプロピレン材料の90%以上を回収できるという。また、ボックスの密閉にはテープを使わずジッパーやファスナーなどを使用しており、問題となっていたテープの大量使用も解消されているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News