【7月22日 People’s Daily】中国・天津市(Tianjin)で唯一の山間部、薊州区(Jizhou)は古木や名木が多く生えた地である。5月に入ると木は茂り、花が咲き乱れる。

 薊州区の官荘鎮(Guanzhuang)東後子峪村にある文化広場に入ると、大きなマツとカシワの古木が迎えてくれる。村民によれば、このマツは樹齢650年、カシワは320年の歴史があるという。

 薊州区林業局の高級農芸師を務める劉鳳明(Liu Fengming)さんによれば、このマツは「一級古木」に属し、全国緑化委員会が編さんした「中国古木・名木選」にも選ばれた。古木を保護するため、地元の林業部門では木の育成状況に基づいて石造りの支柱を増やし、またフェンスや消火器なども設置しているという。

「これは監視測定器で、木の揺れる幅を感知して、異常なデータが出れば伝えてくれます」と、劉鳳明さんはマツの木に設置された小さな灰色の箱を指さしていった。この測定器は十数年使われており、もうすぐ精度がさらに高い新製品に取り換えられるそうである。

「私と村の人々はいつもこの木を気にかけ、みんな全力でこの木を守ろうとしています」と、村の党支部書記である王野(Wang Ye)さんは言う。樹木を虫害や火災などから守るために不注意は許されず、かといって過干渉も許されない。同村では、古木に栄養剤を打つことはせず、水やりや除虫をメインに自然な育成を心がけている。

「薊州区には古木や名木が多く、樹齢500年以上の木が112株あります」と、劉鳳明さんは語る。現在までに、薊州区において樹齢100年以上で登録された古木・名木は3831株あり、天津市にある古木・名木の82.6%を占める。

 効率的にこれらの木を保護するため、去年、薊州区は責任の所在をはっきりさせる制度を制定し、各レベルの行政単位における職責を明確化した。近頃発布された業務方法の案では、現在市内にある古木・名木の保護管理の中で「木長制」と呼ばれる制度を模索・推進し、1株1株の木に対して責任者を置くことをはっきり示した。

「現在、市内の道路沿線および緑地公園で、直径30センチ以上の大木はすでに5000株あまりを数えます。喜ばしいことに、古木・名木の予備軍データベースには15株が増えました」と、薊州区都市管理委員会市政園林サービスセンター責任者の劉彦昕(Liu Yanxin)さんは言う。

 古木の保護だけでなく、薊州区は近年、絶え間なく市内にある園林・緑地の保護管理や市内の緑化、生物多様性の維持に力を入れてきた。劉さんによれば、現在、薊州区の緑化率はすでに53.3%に達し、中でも北部の山間部では81%が森林なのだという。

 薊州区都市管理委員会の関係者によれば、今後市内500平方メートルの緑地と5万株あまりの街路樹に対しても厳密な保護管理が行われる。市内に植えられた緑化樹木の生長を保証し、景観や人と自然の共生を形づくっていく狙いだ。(c)People’s Daily/AFPBB News