【7月24日 AFP】スウェーデンの町シェレフテオ(Skelleftea)で青空を背に、日差しを受けて輝く薄茶色の木造高層ビル。北欧諸国は地元の森林資源を活用し、環境に優しい高層建築を造る世界的動向の先頭に立っている。

 木造の建築物として世界有数の高さを誇るサラ文化センター(Sara Cultural Centre)は昨年末、スウェーデン北部にある人口3万5000人の町にオープンした。木造20階建て、高さ75メートルのビルには、ホテル、図書館、展示ホール、劇場が入っている。主に使われている建築材はトウヒ材だ。

 スウェーデン北部一帯は大半が森林に覆われているが、そのほとんどを占めるのがマツ科の針葉樹トウヒ。木を使った家造りは昔ながらの地域の伝統だ。

 現在、スウェーデンの建築家たちは、より持続可能性の高い建築方法を選択する改革を最前線で推し進め、業界を導こうとしている。同国をはじめ近隣の北欧諸国では、建築技術の進歩のおかげで大型の木造建築物が続々と建設されている。

 シェレフテオ都市計画局のテレース・クライゼル(Therese Kreisel)氏は、サラ文化センターの見学ツアー中に「鉄鋼と材木が相互に作用しながら、柱と梁(はり)が一緒になって20階建てのホテルを支えています」とAFPに語った。

 エレベーターの昇降部分さえ、完全に木製だ。「しっくい、シーリング材、断熱塗料は木の部分には使っていません」とクライゼル氏。こうした施工方法は「20階建てのビルとなると、他に類を見ません」と続けた。