■盗品として売りさばけない

 聖遺物が盗まれた数日後、ブラント氏はパスワードで保護された匿名の電子メールを受け取った。盗品を預かっているとの内容だった。

「盗品を保管している人物の代理だと言って、連絡してきたのです」

「キリストの血に関わる最高レベルの遺物、しかも盗品が家にあっても、ろくなことになりません」とブラント氏。

「売りさばける物ではないと分かって、手放さざるを得なくなったのでしょう」

 窃盗犯が盗品を送ってきた理由について、ブラント氏は「警察が絡むと、自分たちに危険が及ぶからでしょう」と話した。

「彼らは私の評判を知り、教会に戻すのが得策だと思ったのです。次の1000年も、この聖遺物が無事であることを願っています」

 映像は6日撮影。(c)AFP/Jan HENNOP