【7月20日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は19日、イランの首都テヘランでトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と会談し、ウクライナ産の穀物輸出に関する協議がトルコの仲介により「前進」したとして謝意を表明した。

 プーチン氏は、エルドアン氏とエブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)大統領との3者会談でシリア内戦の和平協議を行うためにイランを訪問。プーチン氏の外遊はロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以降2度目で、会談にはウクライナ問題が影を落とした。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)の発表によると、プーチン氏はエルドアン氏との個別会談で「あなたの仲介のおかげでわれわれは前進した」と謝意を表明。すべての問題が解決したわけではないとしつつも、「動きがあるということはすでに良いことだ」と述べた。

 シリア内戦については、対処すべき問題が多いと発言。アルメニアとアゼルバイジャンの係争地、ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)についても、議論すべき「重要な」問題であると述べた。

 トルコはここ数週間、同国がテロ組織とみなすシリアのクルド人武装組織に対する新たな軍事作戦を近く開始する可能性について、繰り返し警告してきた。エルドアン氏は3者会談で、トルコのシリアにおける「テロとの戦い」ではロシアとイランに支援を期待していると述べた。

 プーチン氏は、イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師とも会談。ハメネイ師の公式サイトの声明によると、同師は両国が西側諸国に制裁を科されている点に言及し、「イランとロシアの長期的な協力は、両国にとって非常に有益だ」と述べ、石油・ガス分野などでの両国間の契約は「完全に履行されなければいけない」とした。

 西洋諸国がウクライナ侵攻をめぐりロシアに前例のない制裁を科して以来、プーチン氏は中東、アジア、アフリカ諸国との関係構築に努めている。(c)AFP