【7月20日 CNS】メタバースやブロックチェーンという言葉が日常に浸透している中、「95後(1990年代後半生まれ)」や「00後(2000年代生まれ)」と呼ばれる中国の若者の間で「デジタルコレクション」が人気となっている。仮想空間上の絵画や動画、音楽、フィギュアなどを指し、コピー防止措置やナンバリングにより「本物」であることを証明したものだ。中国の美術館や博物館も収蔵品をデジタル化して販売している。

 20代の女性、李さんは古代建築物のデジタルコレクションを購入した。スマートフォン画面を指でスワイプしながら、360度あらゆる角度から建築物を眺めることができる。「博物館の展示品は決まった角度から見ることしかできないし、持って帰ることはもちろんできません。デジタルコレクションなら、いつでもどこでも鑑賞することができます」

 多くのデジタルコレクションは1つのアイテムにつき数百点から数千点に数量を限定して販売するか、事前に予約を求めて数量を設定している。愛好家たちは、限定コレクションを自分たちが手にすることに喜びを感じている。

 ただ、年配層や若者の間でも、「デジタルコレクションは触ることもできず、仮想空間で味わうことしかできない。実在しない3Dグラフィックスにお金を投じる必要はあるのか?」と冷ややかに見る人は少なくない。

 著作権上の問題も起きている。中国近代美術を代表する洋画家、徐悲鴻(Xu Beihong)氏の作品を収蔵する徐悲鴻美術館(Peon Art Museum)は最近、「一部のデジタルプラットフォームが勝手に徐悲鴻の名前を使用してデジタルコレクションを販売しており、知的財産権を侵害している」と声明を出した。

 デジタルコレクションは今後さらに市場が拡大するとみられているだけに、問題点を解消していく必要がある。(c)CNS/JCM/AFPBB News