【7月20日 CNS】おしゃれなパッケージやさまざまなフレーバー風味、そしてブランドとの共同販売など、中国では近年、若者を中心に電子たばこを愛用する人が増えている。当初は禁煙製品として登場した電子たばこだが、一部のメーカーはファッショナブルで中毒性がないと主張して製品を発売し、社会問題となっている。

 しかし電子たばこの有害性が徐々に認識され、規制が強化されている。 5月1日から「電子たばこ管理弁法」が施行され、フレーバー風味の電子たばこや噴霧装置を取り付ける電子たばこの販売が禁止された。

 雲南省(Yunnan)の昆明医科大学(Kunming Medical University)公衆衛生学院の蕭霞(Xiao Xia)准教授は、「電子たばこの成分は紙巻きたばこより有害物質が少ないと言われるが、一部の消費者は紙巻きたばこより多く電子たばこを愛用するため、体内に吸入される有害物質の量は減少していない」と指摘する。

 21歳の李荔(Li Li)さんは、電子たばこのヘビーユーザーだ。「友人に勧められて試したら、あっという間にハマってしまった。100元(約2052円)ちょっとで60ミリリットルのリキッドを買って、最初は2週間持ちましたが今は1週間も持たない。電子たばこに月額700〜800元(約1万4730〜1万6422円)かかる」と話す。

 中国疾病予防管理センターの2021年の調査によると、電子たばこを使用したことのある大学生は10.1%に上り、今も電子たばこを使用している割合は2.5%だった。別のデータによると、15歳以上で電子たばこを吸っている人は1000万人に達しており、大半は15〜24歳の若者が占めている。

 復旦大学(Fudan University)健康コミュニケーション研究所が昨年10月に発表した「電子たばこのマーケティングと青少年の健康への影響に関する調査リポート」によると、調査をした10代の若者のうち半数近くが13〜15歳で電子たばこを使い始めており、フルーツ風味のフレーバーを多用している。

 電子たばこ管理弁法は味の制限に加えて、未成年者への販売を禁止した。電子たばこを販売する店舗は、未成年者に販売しないという表示を目立つ位置に設置するこことが必要となり、必要なら客に身分証明書の提示を求める。また、電子たばこを販売するには専売部門に申請して免許を取得しないといけない。さらに学校や幼稚園の周囲では電子たばこの販売店を設置することは認められない。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News