【7月19日 AFP】英王室を離脱したヘンリー王子(Prince Harry)は18日、米ニューヨークの国連(UN)本部で演説し、「私たちは世界中で民主主義と自由に対する攻撃を目の当たりにしている」と述べ、ロシアによるウクライナ侵攻や、米連邦最高裁判所が人工妊娠中絶の憲法上の権利を無効としたことなどに危機感を示した。

 ヘンリー王子は南アフリカの故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の誕生日を記念する国際デーに合わせ、国連総会(UN General Assembly)で演説した。妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)も会場に姿を見せた。

 王子は「過去10年間、痛ましい出来事が続いたが、この1年はその中でも特に痛ましいものとなった」と語った。具体例として、新型コロナウイルス禍、気候変動、偽情報のまん延、ロシアのウクライナ侵攻、人工妊娠中絶に関する米連邦最高裁判断を挙げた。

 27年間を獄中で過ごした後、南ア初の黒人大統領に選ばれ、アパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃に貢献したマンデラ氏については、「良心の人」であると同時に「行動の人」だったと称賛した。

 気候変動問題に関しては「かつてなかったような気象現象が日常的なものになっている。指導者が先頭に立たない限り、危機は深刻化する一方だろう」と警告。国連加盟国に対し、「人類を救うため、世界が必要とする変革に向け大胆な決断」を下すよう訴えた。(c)AFP