【7月24日 AFP】新たに運用が開始されたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)の初画像は息をのむほど美しいが、それだけではない。科学者らが熱心に追究している未解決の謎の鍵となるヒントや手掛かりが多数含まれている。

 ここでは、科学者が今後、ウェッブ宇宙望遠鏡に期待しているポイントをまとめた。

■深宇宙へ

 宇宙のこれまでで最も深遠で鮮明な赤外線画像「ウェッブ初のディープ・フィールド」が、今月11日に公開された。

 白い円や楕円(だえん)は、前景にある銀河団「SMACS 0723」に属する銀河で、太陽が形成されたのとほぼ同時期に当たる46億年以上前の姿を見せている。

 赤みがかった弧を描いているのは、130億年以上かかって到達した古代銀河からの光で、重力レンズとして作用する前景の銀河団の周囲で曲がっている。

 12時間半の露光を要した今回の合成画像は、試験運用の一環と見なされている。さらに露光時間を長くしていけば、宇宙が誕生したビッグバン(Big Bang)後の最初の数億年までさかのぼる、史上最遠距離の観測記録を更新するとみられている。

■生命居住可能惑星の探査

 ウェッブ望遠鏡は、太陽に似た遠方の恒星を周回する太陽系外惑星「WASP-96 b」について、この高温で膨張した巨大ガス惑星を取り巻く大気に水が含まれることを示す痕跡を捉えた。さらには、大気中に雲やもやが存在することを示す、これまで未検出だった証拠も得た。

 WASP-96 bは、天の川銀河(銀河系、Milky Way)内で確認されている5000個以上の系外惑星の一つだ。だが天文学者らを本当に興奮させるのは、生命を育む可能性のある大気と液体水域を探すために、地球に似たより小型の岩石惑星にウェッブ望遠鏡を向ける計画があることだ。