【7月20日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)考古研究院はこのほど、同省の陶寺北墓地で6年前に見つかった貴族夫人墓の詳細を発表した。被葬者は30代前半の妊娠女性で、美しい玉や華やかな衣服、青銅器など多くの副葬品に囲まれていた。手厚い埋葬は2500年前の貴族の生活の贅沢さを示しており、被葬者の身元について、尽きることのない想像をかき立てる。

 陶寺北墓地は、臨汾市(Linfen)襄汾県(Xiangfen)陶寺村の北800メートルの地点にあり、盗掘を受けたことで存在が明らかになった。積石は高位貴族の墓にのみに見られ、被葬者の地位を表していた。考古学者は2016年、積石のある大型墓を発掘。墓は長方形の竪穴式土坑墓で、木製葬具は朽ち果てていたが、痕跡から埋葬方式は一つの椁(かく、ひつぎの外箱)に二つのひつぎを納めた「一椁二棺」だと分かった。内棺は外棺の中央部よりやや西側に置かれ、長さ2・2メートル、幅0・9メートル。ふた板と壁板の一部には、黒地に朱塗りの漆の痕跡があった。

 被葬者は両足をそろえ、左腕を曲げ、右腕を外に広げた不自然な体勢をしていた。腹部には8カ月の胎児の頭骨があった。

 器物は134点(組)が出土した。多くは青銅器で、その他は鉛器、玉石器、骨器、細泥陶などだった。被葬者の頭部から脚部には玉器が見られ、首部と胸部には玉璜(ぎょくこう)、水晶管玉、メノウ珠などがあった。

 同墓地発掘チームの責任者、王京燕(Wang Jingyan)氏は、同墓地の使用年代が西周末期から戦国時代までで、晋の興亡と歩みを共にしたと指摘。墓地の埋葬者は晋の都城を守る役割を担っていたとの見方を示した。今回出土した墓の年代は紀元前500年頃で、副葬品の青銅器の中に大夫の身分を示す標準的な5点1組の列鼎があることから、被葬者は大夫の妻だと推測している。(c)Xinhua News/AFPBB News