【7月18日 AFP】第18回世界陸上オレゴン大会(World Athletics Championships Oregon 22)は17日、各種目の決勝が行われ、男子110メートルハードルではグラント・ホロウェイ(Grant Holloway、米国)が金メダルを獲得する一方、ライバルのハンズル・パーチメント(Hansle Parchment、ジャマイカ)が棄権、デボン・アレン(Devon Allen、米国)が失格になる波乱のレースとなった。

 前回王者のホロウェイは、13秒03を記録して優勝し、昨年の東京五輪で金メダルを逃した悔しさを埋め合わせた。同胞トレイ・カニンガム(Trey Cunningham)が13秒08で銀メダル、アシエル・マルティネス(Asier Martinez、スペイン)が13秒17で銅メダルを獲得した。

 しかし、大きな期待が集まった決勝で、ドラマはすべてレースが始まる前に起こった。まずは東京五輪でホロウェイを退けて金メダルを獲得したパーチメントが、レース直前のウオーミングアップでハードルに足をひっかけて負傷。右太ももを痛めた様子で、すぐに治療を受けたが棄権した。

 さらには今季世界最速をマークしていたアレンも、0.001秒の差でフライングと判定され、ショッキングな失格となった。大学時代もこのトラックで走り、地元の人気も高かったアレンは、抗議を試みたが失意のうちに通路の奥へ消えた。

 男子砲丸投げでは、五輪2大会連続金メダリストのライアン・クラウザー(Ryan Crouser、米国)が優勝し、地元のファンを喜ばせた。

 オレゴン州ポートランド(Portland)の生まれで、同州ボーリング(Boring)で育ったクラウザーは、22メートル94を記録。ジョー・コバクス(Joe Kovacs)が22メートル89で銀メダル、ジョシュ・アウォトゥンデ(Josh Awotunde)が22メートル29で銅メダルを獲得し、米国勢が表彰台を独占した。

 女子棒高跳びでは、五輪女王のケーティ・ナジオット(Katie Nageotte、米国)が金メダルを獲得した。

 ナジオットは代表のチームメートで、練習パートナーでもあるサンディ・モリス(Sandi Morris)とともに4メートル85を跳び、最高記録の試技回数差で優勝した。モリスは世界陸上3大会連続の銀メダル。ニーナ・ケネディ(Nina Kennedy、オーストラリア)が4メートル80で銅メダルとなった。(c)AFP