【7月17日 AFP】ラグビー元ウェールズ代表主将のライアン・ジョーンズ(Ryan Jones)氏が、若年性認知症と診断されていたことを明かし、「世界がばらばらになったような感じがする」と話した。

 近年、脳に深刻な損傷があると診断されたことを告白する元有名ラグビー選手は増えているが、ジョーンズ氏もその一人となった。

 ウェールズ代表として75キャップ、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)で3キャップを刻んでいるジョーンズ氏は、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)に対し、自身が若年性認知症を患い、慢性外傷性脳症(CTE)の可能性が高いと昨年12月に告げられたと明かした。

 41歳のジョーンズ氏は「世界がばらばらになったような感じがする」と話し、「それにとても怖い。なぜなら自分には3人の子どもと継子が3人いて、最高の父親になりたいからだ」と続けた。

「人生の15年間をスーパーヒーローのように過ごしてきたが、今はそうではない。将来がどうなるか分からないし、以前のように振る舞うことはもうできない」

「幸せで健康な普通の人生を送りたいだけなんだ。それを奪われ、自分にはどうしようもないと感じている。激しい練習はできないし、審判を務めることもできない。ラグビーのルールがどういうものかも、もう分からない」

 頭部の負傷と脳振とうへの対処は、ラグビー界で大きな争点になっている。W杯(Rugby World Cup)を制した元イングランド代表のスティーブ・トンプソン(Steve Thompson)氏や元ウェールズ代表のアリックス・ポパム(Alix Popham)氏ら元選手は、脳振とうのリスクから選手を守らなかったとして、ワールドラグビー(World Rugby)やイングランドラグビー協会(RFU)、ウェールズラグビー協会(WRU)を相手取って集団訴訟を起こしている。(c)AFP