【7月16日 AFP】欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は15日、ハンガリーが未成年者に向けたLGBTQなど性的少数者に関するコンテンツを禁じたことをめぐり、同国を欧州司法裁判所(European Court of Justice)に提訴した。

 ハンガリーは昨年、EUや加盟各国首脳の度重なる警告にもかかわらず、「反小児性愛法」を施行。未成年者に対して同性愛や性別移行を「助長」する行為などを禁止した。ナショナリストで保守派のオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は、同法は同性愛嫌悪的なものではなく、「子どもの権利を守る」ことが目的だと主張している。

 欧州委は声明で、同法がEUの市場規則に違反し、LGBTQなどの個人の基本的権利を侵害しているとし、「EUの価値観」に反すると非難した。欧州司法裁は、その決定に対する違反行為に罰金や経済的罰則を科すことができる。

 欧州委はさらに、ハンガリー規制当局による独立系ラジオ局クラブラジオ(Klubradio)の閉鎖に関しても同国を提訴。EUはまた、同国政府の汚職対策が不十分であるとして、同国への予算配分を停止する手続きを開始している。(c)AFP