【7月15日 AFP】中東歴訪中のジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は15日、ヨルダン川西岸(West Bank)ベツレヘム(Bethlehem)で、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長と会談した。大統領はイスラエルとの2国家解決案の実現は困難だが、パレスチナ人は和平に向けた政治的な道筋を必要としているとの認識を示した。

 バイデン氏が大統領として西岸を訪れるのは初めて。自治区で5月に銃撃されて死亡した、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al Jazeera)のベテラン記者シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Akleh)氏の事件究明に向け、米国は「最大限の」取り組みを継続すると強調した。

 大統領は13日に中東入り後、パレスチナ国家の樹立を支持する意向を繰り返し示してきたが、和平プロセスは2014年以降、停滞状態にあり、「2国家という目標ははるかに遠い」と認めた。

 その上で「パレスチナの民衆が実際に目にできる、あるいは少なくとも感じることができる政治的な地平線が必要だ。絶望感が将来を奪い取るのを容認してはならない」と訴えた。

 アッバス議長はこれに対し、「(ユダヤ人の)入植活動や入植者の暴力停止」や、「祖国の地からのパレスチナ人追放」をやめるよう、米国がイスラエルに働き掛けることをパレスチナ民衆は望んでいると指摘した。

 アッバス氏は「和平への鍵はパレスチナ国家を承認することだ」とも主張した。(c)AFP