■人生は80歳から

 大統領上級顧問のマイク・ドニロン(Mike Donilon)氏は、ニューヨーク・タイムズに対し、バイデン氏は移動のための航空機上で「若いスタッフが眠りたいと思う中、どうしたら内政問題に全力で取り組めるのか考えるために4時間も費やしている」と述べ、大統領が精力的に職務に取り組んでいると擁護した。

 24年の大統領選の共和党候補となり得る76歳のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、年齢問題が選挙の有効なカードになると心得ており、カードを使うことに前向きだ。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォームに、「80代や90代でも相変わらず優秀で頭がさえた人は大勢いる。バイデンはそうした人たちの中には含まれないが、(優秀でないのは)年齢とはあまり関係ない。実際のところ、人生は80歳から始まる!」と投稿した。

■若い世代

 健康問題だけでなく、第2次世界大戦(World War II)の最中に生まれた大統領が、若い世代と意思疎通できるのかという政治的な問題もある。

 人工妊娠中絶の憲法上の権利を無効とした連邦最高裁判所の判断について、ホワイトハウス前で抗議する若者たちに、どう対応するのだろうか。バイデン氏は、明確な答えは持ち合わせておらず、「抗議を続けなさい。主張し続けなさい。極めて重要なことだ」と述べるにとどめた。

 バイデン氏が公約を守っていると回答した18~34歳の民主党支持者はわずか43%だったとの世論調査結果もある。

 バイデン氏に代わる候補者の不在も顕著だ。同氏が撤退した場合の候補になるカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領(57)が大統領選で勝利する可能性について、評論家は懐疑的だ。

 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事(54)や、ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)運輸長官(40)も候補者の一人になるだろう。ただ、トップを走るような候補者は現れていない。(c)AFP/Aurelia END