【7月15日 People’s Daily】中国中部に位置する安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)市の都市ライフライン運用観測センターでは、ガス、給水、橋梁などの施設の観測データを「赤、オレンジ、黄、青」の4色に分けて隠れたリスクを識別している。観測センターの李旋(Li Xuan)副主任は「システムが稼働して以降の4年間、ガス管や給水管のトラブル、異常なガス濃度、道路の陥没など6000件の異変を早期に観測しました。市内の地下パイプ網の事故は60%減少し、リスク調査の効率が70%向上しました」と話す。

 中国各地では、こうした「新しい都市」の建設が進んでいる。住宅・都市農村建設省の担当者は「新しい都市の建設とは、水や暖房、ガスなどの供給システムのグレードアップ、ハイレベルな住宅街の建設、工業のインテリジェント化を促進し、スマートシティーを構築することです」と説明する。

 同省は2020年、重慶市(Chongqing)、福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)、山東省(Shandong)済南市(Jinan)など16都市で「新しい都市建設テストプロジェクト」を開始。無人バスや配達自動車の稼働、高層住宅から捨てられるごみを監視するスマートカメラ、自動計量するスマートごみ箱、QRコードをスキャンするとルートを表示するスマート道路など、居住者に便利さと快適さをもたらしている。

 テストプロジェクトは産業の高度化も促進している。重慶市は昨年末、約50億元(約1029億円)を投資して、コネクテッドカーの開発や道路への高性能センサー機器の設置など38プロジェクトを推進。2025年までに新しい都市インフラ建設をリードする企業を育成し、1000億元(約2兆590億円)級の生産能力を生み出そうとしている。

 住宅・都市農村建設省の担当者は「今後は国、省、市それぞれのレベルでプラットフォームの構築を加速し、新しい都市の建設モデルを提示していく」としている。(c)People’s Daily/AFPBB News