【7月15日 AFP】欧州安保協力機構(OSCE)は14日、ロシアがウクライナ国内に設置した「選別収容所」での数万人の虐待疑惑に「深刻な懸念」を表明した。

 OSCEは115ページの報告書で「こうした収容所で厳しい尋問や屈辱的な身体検査が行われているという報告がある」として、こうした施設の設置は「憂慮すべき」事態だとした。

 ウクライナ政府に協力したことが判明した人が「こつぜんと姿を消す」ことがしばしばある。中にはロシア支配地域に移送されて、拘束されたり殺害されたりする人もいるとされる。

 報告書は、専門家3人が4月1日~6月25日に実施したウクライナ紛争の調査に基づくもの。

 報告書が引用したウクライナ政府や人道支援団体の話によると、民間人数万人がウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」支配地域の「選別収容所」を経てロシアに移送されている。

「選別収容所」では個人情報の登録や指紋の採取、身分証明書のコピーが行われているという。

 ウクライナのエフヘニー・ツィムバリュ(Yevhenii Tsymbaliuk)OSCE大使によると、ウクライナのロシア支配地域にはこうした収容所が約20か所存在する。(c)AFP