【7月15日 AFP】(更新)イタリアのセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領は14日、マリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相が提出した辞表の受理を拒否した。ドラギ政権は、連立を組む新興左派政党「五つ星運動(M5S)」が議会で政権に対する事実上の信任投票に参加しなかったことで、崩壊の危機に陥っていた。

 ジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)前首相が率いる五つ星運動はこの日、政権に対する事実上の信任投票となるインフレ対策をめぐる採決への参加を拒否。同党は政策転換や内部分裂のため国民や議員の支持が低下しており、採決不参加は来年予定されている総選挙に向けて草の根の支持回復を狙ったものだったと識者はみている。

 ドラギ氏はこれを受け、閣僚に対して辞表提出の意向を表明。連立政権を継続するために必要な条件は「もはや存在しない」とし、「政府が基盤としてきた信頼の約束がなくなった」と述べた。

 ドラギ氏はかねて、五つ星運動の支持が得られなければ辞任する意向を表明していた。だが大統領府によると、マッタレッラ大統領はドラギ氏の辞表受理を拒んだ上で、議会で意思表明をするよう進言。ドラギ氏は来週の議会で、政権の継続に必要な過半数の議員の支持を得られるかどうかを見極める見通しだと報じられている。(c)AFP