【7月14日 AFP】ペルー・パラカス(Paracas)半島沿岸の斜面に描かれた約2500年前の巨大な地上絵「カンデラブロ(Candelabra、しょく台の意)」が、複数の観光客により踏み荒らされたことが分かり、当局が捜査を開始した。

 文化省によると、警察が週末、足跡を見つけた。2列の足跡が地上絵の下から上まで残っており、左右に横切っていたことも分かるという。

 足跡は3人分だとみられる。車のわだちも残されていた。

 地上絵は船からの観光しか認められていない。

 観光船の船長はテレビの取材に、海から「幼い息子を連れ、シャベルを持った外国人のカップルが、カンデラブロを荒らしていた」と話した。番組では、地上絵近くを歩く5人組を船上から携帯電話で撮影した動画を放映した。

 地上絵は縦約170メートル、横60メートル。海沿いの斜面に彫られている。絵の意味などは分かっていない。

 2016年には国の史跡に指定された。ペルーでは遺跡を損壊した場合、3年から5年の禁錮刑が科される可能性がある。

 ペルー南部沿岸では紀元前100年から紀元200年ごろ、パラカス人による文化が栄えた。1920年代に考古学調査が始まるまでパラカス人のことはほとんど知られていなかった。

 映像は文化省が11日撮影・提供。(c)AFP