■「西側の言うことは真実ではない」

 セルビアとロシアはともにスラブ系で、正教徒が多く、文化的・歴史的なつながりは何世紀にも及んでいる。ベオグラードでは、プーチン氏の顔をあしらったTシャツが土産物店で売られ、ロシアの対ウクライナ侵攻の象徴となっている「Z」の文字があちこちの壁に書かれている。

 1999年のコソボ紛争におけるNATO軍の旧ユーゴスラビア空爆は、今も多くのセルビア人に深い傷を残している。

 年金生活者のティホミール・ブラニェシュさん(73)は、「西側のメディアは信用できない」とAFPに語った。「戦争中、セルビア人について報道された内容を覚えている。私たちはまるで動物みたいに描かれていた。当時も真実ではなかったし、今、ロシア人について(西側で)言われていることも真実ではない」

 これに対し、駐セルビア・ウクライナ大使は「セルビア国民は正しい情報を得ていない」と抗議の声を上げている。

 しかし、セルビアでウクライナ紛争に関する正確な情報を入手するのは容易ではない。マリッチさんのようにウクライナ人であれば、自国から生の情報を得ることができるが、それでもセルビアにあふれる偽情報やあからさまなプロパガンダに惑わされずにいるのは難しい。

「彼らのプロパガンダは非常に巧妙で、5分も読めば、自分の考えの方がおかしいのではないかと思えてきます」とマリッチさんは話した。(c)AFP/Miodrag SOVILJ