【7月16日 AFP】米ニューヨークで今月、カップル約500組の集団結婚式が行われた。新型コロナウイルス禍で生じた「傷」を癒やすための試みで、参加した新郎新婦たちはお互いを祝福し合った。

 頭に花飾りをつけたカップルが、会場のリンカーン・センター(Lincoln Center)で列になり、イスラム教やユダヤ教の宗教指導者、キリスト教の司祭らに迎えられる形式。すでに結婚しているカップルも多く、中には感激のあまり涙をこらえきれない参加者もいた。

 参加したエリカ・ハックマンさん(35)は「2020年3月24日にハワイで式を挙げる予定でした。でもコロナのせいですべて中止になりました」と語った。夫のリチャードさん(37)も「なので、同じような経験をした人たちとこうして集まって祝うのは、本当に特別なことだと感じます」と続けた。

 同性カップルの姿もあった。ある参加者(56)は「私たちは同性カップルです。こうして祝っている姿をできるだけ公の場で示すことは、私たちにとって、とても大事なのです」と話した。

 アンマリー・コロンさん(59)は、婚約者だったルイス・スティーブンさんの写真を手にして参加者の列に加わった。ブロンクス(Bronx)地区出身のスティーブンさんは、2020年4月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で死亡した。

「彼が亡くなった週、私たちは(カリブ海の)アルバ(Aruba)島で結婚する予定でした。今日ここに来たのは、私たちが一緒に過ごした11年間の人生を祝福する良い機会になると思ったからです」とコロンさんは語った。(c)AFP/Andréa BAMBINO