【7月13日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は12日、内戦下のシリアへの越境人道支援を6か月間延長する決議を採択した。欧米諸国は1年間の延長を求めていたが、ロシアの反対により期間が短縮された。

 シリアの同盟国であるロシアは8日、支援を1年延長する決議案に対し、拒否権を行使。6か月に期間を短縮する案を提示したが、欧米諸国の反対で否決され、支援制度は10日に期限切れを迎えていた。

 12日の採決では、15の理事国のうち、ロシア、中国、非常任理事国10か国の計12か国が賛成し、英国、フランス、米国は棄権した。

 シリアへの越境人道支援は、2014年に開始。隣国トルコからバブアルサラム(Bab al-Salam)国境検問所を越えて反体制派支配地域に入り、シリア政府軍の支配地域を通らずに民間人へ援助を届ける唯一のルートとなっており、約240万人がこの援助に頼っている。(c)AFP/Philippe RATER