【7月12日 AFP】辞任を表明しているスリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領(73)が、空路で出国できず、海軍の船で国外脱出をしようとしていることが分かった。政府筋が12日、明らかにした。

 ラジャパクサ氏は9日、コロンボ(Colombo)の大統領公邸に数万人のデモ隊がなだれ込む直前に退避した。政府関係者によると、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)への渡航を望んでいる。

 ラジャパクサ氏は13日に辞任し、「平和的な権力移譲」を可能にすると表明している。大統領の職を辞任すると、不逮捕特権がなくなり逮捕される恐れがあるため、その前に出国を試みているとみられる。

 ラジャパクサ氏は11日、バンダラナイケ国際空港(Bandaranaike International Airport)から出国を試みた。だが、入管職員が、同氏のパスポート(旅券)へ証印するためVIPラウンジに行くことを拒否。一方、同氏は空港利用者からの報復を恐れ、通常の出国審査場へ行くことを拒んだ。

 当日のUAE行きは4便あったが、ラジャパクサ氏と妻は搭乗できず、空港に隣接する軍の基地に宿泊した。

 同氏は現在も軍の最高司令官を務めている。国防省高官によると、ラジャパクサ氏に最も近い軍幹部は、同氏を海軍の巡視船で出国させることを検討している。

 この高官は「現時点での最善策は海路での出国だ」「モルディブかインドに行き、そこからドバイ行きの航空機に乗ることができる」と話した。(c)AFP/Amal JAYASINGHE