【7月10日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官と中国の王毅(Wang Yi)外相が9日、インドネシア・バリ(Bali)島で会談した。緊張関係にある両国の衝突を回避するのが狙いで、会談は5時間と異例の長さに及んだ。両者が対面で会うのは昨年10月以来。

 ブリンケン氏は会談後、「(米中)関係は複雑だが、われわれにとってきょうの会談は有益かつ率直なもので、建設的だったと自信を持って言える」と述べ、中国との外交対話を継続する考えを強調した。

 中国外務省は、双方は関係改善に取り組んでいくことでおおむね一致したと説明。その一方で、米側は中国の政治体制を「中傷、論難した」としている。

 同省は「中米合同作業部会を促進させ、より多くの結果につなげる」ことや、気候変動や公衆衛生の問題で連携を強化することで合意したと解説。「この対話が実質的かつ建設的であり、相互理解を深めるとともに誤解や誤った判断を低減させ、将来のハイレベルな2国間交流の実現に向けた条件を整えるのに役立つと信じている」と評価した。

  会談では、米中間の競争が意図しない衝突に発展するのを回避することが焦点となったが、米側は台湾や人権などの問題についても中国側に懸念を伝えた。

 ブリンケン氏はロシアによるウクライナ侵攻をめぐっても、中国がロシアに暗黙の了解を与えていることに懸念を示し、ロシアと距離を置くよう求めた。

 ブリンケン、王両氏は、数週間以内に行われる予定のオンライン形式での米中首脳会談に向け、準備を進める見通し。(c)AFP/Shaun TANDON