【7月10日 AFP】テニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)は9日、女子シングルス決勝が行われ、チュニジアのオンス・ジャバー(Ons Jabeur)は準優勝に終わったが、母国では「国の誇り」といった称賛の声が上がるなど、ジャバーに魅了されてやまない人々の姿があった。

 世界ランキング2位のジャバーは、オープン化以降で初めて、アフリカ出身の女子選手として四大大会(グランドスラム)の決勝に勝ち上がった。

 最終的にタイトルには手が届かなかったが、試合後には「自分の国の多くの世代を刺激したい。私の声が届いているとうれしい」と話した。

 ジャバーがテニスを始めたテニスクラブ近くのカフェではこの日、ジャバーがポイントを取るたびに声を出して、熱心に観戦する若い男性グループの姿が見られた。

 21歳の学生の男性は、ジャバーは「チュニジアを代表する存在」で、今回の準優勝は「真の偉業」だと称賛。男性の友人は、ジャバーを「幸福大使」と呼び、「政府が大金を投じても得られなかった注目を、オンス・ジャバーはチュニジアにもたらしてくれた」とたたえた。

 過去にジャバーのトレーナーを務めたナビル・ムリカ(Nabil Mlika)さんは、ジャバーは「国の誇り」だと話し、来月開幕する全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)での活躍を祈った。

 カフェ店員の男性は、ジャバーは準優勝となったが、国に「名誉を与えた」と語った。

 チュニジアのカマル・ダギーシュ(Kamel Deguiche)スポーツ相は8日の準決勝後、大会後にジャバーの活躍を祝うイベントを開く計画があると明かし、ジャバーには正式に「幸福大臣」の肩書を与えるのが「国としての彼女に対する義務だ」と話していた。(c)AFP/Meher Jaidane with Aymen Jamli and Francoise Kadri in Tunis