【7月8日 AFP】男子テニス、通算22度の四大大会(グランドスラム)優勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は7日、腹部のけがを理由にウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)のシングルス準決勝を棄権すると発表した。これにより、年間グランドスラム達成の望みは絶たれた。

 このため、準決勝で対戦する予定だったニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が不戦勝で決勝に進出。相手は通算6度の大会制覇を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とキャメロン・ノーリー(Cameron Norrie、英国)の勝者となる。

 ウィンブルドンで2度優勝しているナダルは、6日に行われたテイラー・フリッツ(Taylor Fritz、米国)とのフルセットに及ぶ準決勝で、明らかに痛みがある様子を見せていた。

 発表に先立ち、スペインのスポーツ紙マルカ(Marca)は、ナダルは腹部に「7ミリ」の肉離れを負いながらもプレーする意向だと伝えていたが、本人がその後会場で会見を開き、「残念ながらお察しの通り、自分がかここにいるのは大会を棄権しなければならなくなったからだ」と発表した。

「きのうご覧の通り、前から腹部に痛みがあり、何かがおかしかった。それがはっきりとした。肉離れを起こしていたということだ」

 どの決断を下すべきか一日中考えたが、「キャリアを通じて前に進み続けてきたとはいえ、出場を継続するのは意味がない。非常につらい状況ではあるが、けがをしたまま続けていけば、どんどん悪化してしまう」と判断したと説明した。

 ナダルによれば、けがは回復までに最長4週間かかる見通しだが、1週間ほどでベースラインからの練習が可能になるという。(c)AFP/John WEAVER